【新作】財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
ぽーっとしている私の顔を真っ直ぐに見つめて、紫苑兄様が何か言っている。

「六花、なんで一度も俺とディナーに行ってくれなかったんだ!!急な海外スケジュールが入った中で、なんとか2回も休みをとったのに!!六花のいない休日なんて休日じゃないんだよ……。ほんとは初日にでも道明寺の本邸に突っ込んで六花を連れて帰りたかったけど、そんなことしたら父上が怒り狂って六花に八つ当たりするのが目に見えてたから、俺は我慢したんだ。

それに、六花のいない屋敷なんて帰る意味がないから、俺は夏休み中ずっと本社ビルのプライベートルームで寝泊まりしてたんだ。今日は久しぶりに、六花を出迎えるためだけに帰ってきたんだよ。

ああ〜久しぶりに六花の可愛い可愛い可愛すぎる顔を見れて嬉しいな〜。

明日から毎日本社に連れて行くよ。家庭教師がいれば高校なんて通う必要はないしね。

あ、あと────」

その言葉で私はやっと我に返った。

「ちょ、お兄様!私は明日から学校に行きます。そんな恐ろしいこと言わないで下さい!!」

「うーん?恐ろしいことをしてくれたのは六花だよ。1ヶ月以上も俺と会わないだなんて。それに玲央のライブには行ったんだろ?もうお兄様悲しくて泣いちゃうよ〜。」

そう言ってその整った顔で大袈裟に泣き真似をするお兄様。

うん、なんだか冷静になってきた。

「玲央兄様のライブには、行ったのではなくて、半強制的に行かされただけです。そんなことよりも、私のファーストキッス……。いつか好きな人ができたら……って思ってたのに……。」

「ん?六花は俺のこと大大大好きだろ?じゃあ何も問題ないじゃん。」

「むぅ。そう言うんじゃなくてですね───」

「それに、悲しいことに六花はどうせ道明寺の誰かと結婚することになるんだ。六花のことを好きにならない男なんていないからな。だったら、その誰かにファーストキッスを奪われるよりも、俺とした方が良いだろ?俺も六花のファーストキッス誰かに奪われるのは嫌だし。」

「むぅ」

「おっ、ブスが何も言い返さなくなった。兄貴の勝ちだな。」

ぐぬぬぬぬ。
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