【新作】財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
1年2学期

六花の気持ち

二学期最初の登校日、私はあのピンク色の感情についてお昼休みに陽菜に相談していた。

翼くんのかっこいいところを見ると、心臓がドッキュンドッキュンと高鳴って、心の中にピンクのモヤがかかって、何も考えられなくなる。

蓮くん、碧くん、や紫苑兄様、玲央兄様のことも、何度もカッコ良いと思ったことはあるけれども、あのピンク色の感情は現れてこなかった。

お兄様たちにはこの話は秘密にしていたし、昨日の今日で優斗ともまだちゃんと話せていないから、私は陽菜には包み隠さず伝えられることが嬉しくなって、つい、私が翼くんの水着姿をみて鼻血を出したことまで言ってしまった。あれは恥ずかしいから秘密にしておこうと思ってたのに……。

「あははっははっ」

なんて素っ頓狂な声を出して笑い転げているから、カフェテリア中の視線が集まってしまった。

「ちょっと陽菜、そろそろ笑いおさめてちょうだい。もっと恥ずかしくなっちゃうんだから!」

「あはっふふっふふふっ……わかったわよ。でも、世間知らずすぎる六花も悪いんだから、これは50:50(フィフティフィフティ)よ。」

「世間知らず……?とりあえず、あのモヤモヤはなんなのか一緒に考えてほしいの。これからも翼くんとは会う予定だから、その度に鼻血を出すわけにもいかないじゃない。」

「…そうね。えっとね、ツッコミたいところはいろいろとあるんだけれど、まず、水着姿をみて鼻血を出すのは、大抵主人公の男の子なの。ヒロインの女の子じゃないの!」

「主人公…?ヒロイン…?」

「…六花、少女漫画とか、ラブコメ小説とか読んだことないの?」

「私の家は漫画は禁止で、恋愛小説は私にはまだ早いって紫苑兄様が……」

「うーむ、なるほど。どうりで六花の恋愛における精神年齢が幼稚園生レベルで止まっているのね。」

「よ、幼稚園生!?でも確かに、恋をしたことはないわ。お父様に、お前はいづれ良家の子息と政略結婚するんだから、恋愛感情を持つことは許さないって物心つく前から言われていたから。それに小学校からずっとこの清蘭(せいらん)女子学園だしね。」

「だから文化祭とかで他校のモテ男から告白されても、全部断っていたのね。外進生の私でも知ってるくらい噂になってるよ!イケメンに告白されてトキめかない女子はいないっていう私の概念が崩れ落ちたんだから。」

「ふふ。見ず知らずの人から告白なんてされてもトキメクはずないわ。」

「……ソウナンダ。で、単刀直入に言わせてもらうと、六花はその翼くんっていう人に恋をしているわよ!」

「ええっ!新種の病原体に感染してるとか珍しいタイプの精神病にかかっているとかじゃなくて!?」

「……うん、なんかもうこれ以上説明するのが面倒になってきたわ。でも、良かったじゃん!自分の好きな人と結婚できるかもしれないだなんて!!」

「そうね。好きな人…かどうかはわからないけれど、どうせ政略結婚させられるなら、絶対に道明寺と、……道明寺の翼くんと結婚したいわ。」

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