【新作】財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
しばらくぽーっとしていると、
「失礼致します。」
と言ってティーセットを持った燕尾服姿の優斗がリビングルームに入ってきた。
私1人しかいないのを確認すると、
「静かだからソファでうとうとしてるのかと思ってた。何読んでんの?」
なんて言って近づいてくる。
今更この本を隠そうとしてももう遅いみたい。
「陽菜が貸してくれたの。普通の小説よ?」
「ふーん?『恋愛心理テスト&モテ・テク10選!トキメク小話付き』って思いっきり恋愛本じゃねぇか!
よくそんなバカみたいな嘘つけるな。紫苑様が、六花は恋愛関係の本読んじゃダメって言ってただろ。没収するぞ。」
私にやめてって言う間も与えず、私の手の中にあったはずの本をするっと取ってしまう優斗。
ソファに座っている私の隣にドサッと腰を下ろして、没収したはずのあの本をぱらぱらとめくって斜め読みしている。
「ねぇ優斗、これにはちゃんと訳があるの。だから、没収はしないで。あと、紫苑兄様にも言わないで。」
するとなぜか赤面する優斗。
「訳って……お前も俺とこんなことしたいってこと?」
そう言ってギュッと私を抱きしめ、耳元で甘く「六花、大好きだ。」なんて囁いてくる。
ドキドキドキ
イケメンの幼馴染にこんなことされてドキドキしない女の子なんていないと思う。
でも、なんで優斗が急に……?
今でも雷雨の激しい夜とかは、私が優斗に抱きついたり、手を握ったりして眠りに落ちるまでそばにいてもらっているけれど、優斗から私にハグしてきたことなんて、ほとんどないのに。
……あっ、そうか!これはあの恋愛小話の『甘い口先』での山場のシーン、執事がずっと秘めていた思いをお嬢様に伝える場面の真似なのね!
って、私はそんなことしたくてこの本を読んでたんじゃないの!
「優斗、冗談はやめて。あと、一旦この手離してちょうだい。」
「ほーい。」
なんてよくわからない返事をしてむすっと黙り込む優斗。
「訳はちゃんと話すから。」
翼くんを見ると心臓がドッキュンドッキュンと高鳴って、心にはピンクのモヤモヤが……。
何が何だかわからなくなって陽菜に相談したら、とりあえずこれを読むように勧められたことを優斗に話した。
するとなんとも微妙な顔をする優斗。喜んでいるのか、不貞腐れているのか……。
「まぁ六花が幸せなら俺は良い……。なんて王子様キャラにはなりきれないんだよな。」
優斗が何かぶつぶつ言っているけど、声が小さくてよく聞こえない。
「ねぇ優斗、訳はちゃんと話したでしょ。その本返してちょうだい。あと、紫苑兄様には絶対言わないでね。」
私が滅多にしない本気のお願いするを時、それが紫苑兄様からの言いつけを破ることになっても優斗は大抵了承してくれる。今回も、紫苑様には見つからないように頑張るんだぞ、なんて言って私に本を返してくれた。
やっぱり優斗は優しい。玲央兄様に影響されたのか、年々口調が悪くなってるような気はするけれど……。
「失礼致します。」
と言ってティーセットを持った燕尾服姿の優斗がリビングルームに入ってきた。
私1人しかいないのを確認すると、
「静かだからソファでうとうとしてるのかと思ってた。何読んでんの?」
なんて言って近づいてくる。
今更この本を隠そうとしてももう遅いみたい。
「陽菜が貸してくれたの。普通の小説よ?」
「ふーん?『恋愛心理テスト&モテ・テク10選!トキメク小話付き』って思いっきり恋愛本じゃねぇか!
よくそんなバカみたいな嘘つけるな。紫苑様が、六花は恋愛関係の本読んじゃダメって言ってただろ。没収するぞ。」
私にやめてって言う間も与えず、私の手の中にあったはずの本をするっと取ってしまう優斗。
ソファに座っている私の隣にドサッと腰を下ろして、没収したはずのあの本をぱらぱらとめくって斜め読みしている。
「ねぇ優斗、これにはちゃんと訳があるの。だから、没収はしないで。あと、紫苑兄様にも言わないで。」
するとなぜか赤面する優斗。
「訳って……お前も俺とこんなことしたいってこと?」
そう言ってギュッと私を抱きしめ、耳元で甘く「六花、大好きだ。」なんて囁いてくる。
ドキドキドキ
イケメンの幼馴染にこんなことされてドキドキしない女の子なんていないと思う。
でも、なんで優斗が急に……?
今でも雷雨の激しい夜とかは、私が優斗に抱きついたり、手を握ったりして眠りに落ちるまでそばにいてもらっているけれど、優斗から私にハグしてきたことなんて、ほとんどないのに。
……あっ、そうか!これはあの恋愛小話の『甘い口先』での山場のシーン、執事がずっと秘めていた思いをお嬢様に伝える場面の真似なのね!
って、私はそんなことしたくてこの本を読んでたんじゃないの!
「優斗、冗談はやめて。あと、一旦この手離してちょうだい。」
「ほーい。」
なんてよくわからない返事をしてむすっと黙り込む優斗。
「訳はちゃんと話すから。」
翼くんを見ると心臓がドッキュンドッキュンと高鳴って、心にはピンクのモヤモヤが……。
何が何だかわからなくなって陽菜に相談したら、とりあえずこれを読むように勧められたことを優斗に話した。
するとなんとも微妙な顔をする優斗。喜んでいるのか、不貞腐れているのか……。
「まぁ六花が幸せなら俺は良い……。なんて王子様キャラにはなりきれないんだよな。」
優斗が何かぶつぶつ言っているけど、声が小さくてよく聞こえない。
「ねぇ優斗、訳はちゃんと話したでしょ。その本返してちょうだい。あと、紫苑兄様には絶対言わないでね。」
私が滅多にしない本気のお願いするを時、それが紫苑兄様からの言いつけを破ることになっても優斗は大抵了承してくれる。今回も、紫苑様には見つからないように頑張るんだぞ、なんて言って私に本を返してくれた。
やっぱり優斗は優しい。玲央兄様に影響されたのか、年々口調が悪くなってるような気はするけれど……。