財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
「あれが西園寺の屋敷じゃないか?」

私たちは、浅草駅から電車に乗って東京スカイツリーにやってきた。ソラマチでランチをして、さっきエレベーターで第一展望台に上がってきたところなの。人生初のスカイツリーに知らず、心が弾む。

翼くんが指さす方に顔をむけると、比較的大きな家が立ち並ぶ屋敷群の中に、一際大きな邸宅が。

「私の家って、こんなに大きかったんだ…。」

「自覚してなかったのかよ」

苦笑する翼くんの横顔もとても綺麗。

紫苑兄様も玲央兄様もお綺麗なお顔をしていらっしゃるけれど、

……なんでだろう。

翼くんのお顔だけが輝いて見えてしまう。


*****


第二展望台に登った後、私は翼くんたちに断ってお手洗いに入った。

お手洗いから出てくると、綺麗な女性と談笑している翼くんたちが……。

その女性は翼くんに自然にボディタッチしていて。

胸の内側が、針で軽く撫でられるみたいに細かく痛む。

視線が外せないのに、見ているほど苦しくなって、呼吸のリズムだけが、妙にうるさく耳につく。

……これが、陽菜が貸してくれた本に書いてあった嫉妬なのかしら。

嫉妬してる……ってことは、やっぱり私は翼くんに恋をしているんだわ!

初恋に、思わず心が弾んでしまう。

恋なんて、できないし、しちゃいけない人生だと思っていたから。

けれど、その相手が、婚約者候補の翼くんなら、何も問題はないわよね?

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