財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
【side 翼】

俺は正直、まだ六花を完全には信用していなかった。

だが。

さっきの電話を聞いてから、少なくとも今まで抱いていた印象は大きく揺らいでいた。



西園寺家。



俺たちと同じ大規模財閥。



そして六花は、その一人娘。



だからもっと傲慢で。

もっと選民思想が強くて。

もっと世間を見下している人間だと思っていた。



けれど実際は違った。



むしろ見下しているのは周囲の方だった。



兄も。

運転手も。

使用人も。



六花自身は案外まともだ。



まともすぎて、西園寺家の中で浮いているんじゃないかと思うくらいに。



そんなことを考えながら、とんかつを一口食べる。



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