【新作】財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
私は屋台を一つ一つ見て回った。
たこ焼き。
焼きそば。
綿飴。
射的。
どれも新鮮だった。
そして、気が付けば私はヨーヨー釣りの前に立っていた。
「一回お願いします。」
店主のおじさんが少し驚いた顔をする。
きっと、私みたいな高校生の女の子が1人で来るとは思わなかったのだろう。
私は無事に一つ釣り上げることに成功した。
「やったぁ。」
思わず声が漏れる。
水色のヨーヨーだった。
私はその紐を指に引っ掛け、ぽんぽんと弾ませながら歩いた。
楽しい。
ちょっと罪悪感はあるけれど。
自由な気分だった。
それに翼くんたちも、きっと無事だろうと思っいなおした。だって、頭脳明晰で運動神経抜群の彼らが危険な目に遭うとは思えないから。
きっと学校の友達でも見つけて、一緒に回ってるのかなぁなんて考えていた。やっぱりボディーガードなしで自由を謳歌したいって気持ちは一緒でしょう?
そんなことをつらつらと考えていると
突然、腕を強く掴まれた。
「えっ――」
私は振り返った。
知らない男だった。
私より少し年上…。高2か高3に見える。
髪は金髪で耳にはピアスがいっぱいついていた。
「ちょっと来い。」
低い声。
そして、強引に引っ張られる。
「いやっ!」
私は反射的に抵抗した。
「離してください!」
だが、びくともしない。
男の手は鉄のように固かった。
「離してっ!」
私は必死に腕を引く。
「あなた誰なの!?」
男は答えない。
ただ、黙ったまま私を引きずるようにどこかに連れて行く。
人混みを抜ける。
提灯の灯りが遠ざかる。
祭りの音が小さくなる。
怖い怖い怖い。
頭の中が真っ白になる。
助けて。
誰か。
そう思うのに。
声が震えてうまく出ない。
そして連れて行かれた先で、私は足を止めた。
いや止まってしまった。
そこには異様な光景が広がっていた。
真紅の特攻服を着た男たち。
ざっと三十人ほど。
その向かいには。
私服や浴衣姿の若い男性たち。
十五人ほど。
そして。
彼らは。
殴り合っていた。
本気で。
容赦なく。
拳が飛ぶ。
蹴りが飛ぶ。
誰かが倒れる。
誰かが怒鳴る。
誰かが血を流している。
私は人生で一度もそんな光景を見たことがなかった。
テレビの中ですらまともに見たことはない。
紫苑兄様が私にはまだ早いって言ってそういう映画は見せて下さらないから。
だから、足がすくんでしまった。
体の震えが止まらない。
怖い怖い怖い。
もうそれしか考えられない。
私はただその場に立ち尽くすことしかできなかった。
そして次の瞬間。
私を連れてきた男が大声で叫ぶ。
たこ焼き。
焼きそば。
綿飴。
射的。
どれも新鮮だった。
そして、気が付けば私はヨーヨー釣りの前に立っていた。
「一回お願いします。」
店主のおじさんが少し驚いた顔をする。
きっと、私みたいな高校生の女の子が1人で来るとは思わなかったのだろう。
私は無事に一つ釣り上げることに成功した。
「やったぁ。」
思わず声が漏れる。
水色のヨーヨーだった。
私はその紐を指に引っ掛け、ぽんぽんと弾ませながら歩いた。
楽しい。
ちょっと罪悪感はあるけれど。
自由な気分だった。
それに翼くんたちも、きっと無事だろうと思っいなおした。だって、頭脳明晰で運動神経抜群の彼らが危険な目に遭うとは思えないから。
きっと学校の友達でも見つけて、一緒に回ってるのかなぁなんて考えていた。やっぱりボディーガードなしで自由を謳歌したいって気持ちは一緒でしょう?
そんなことをつらつらと考えていると
突然、腕を強く掴まれた。
「えっ――」
私は振り返った。
知らない男だった。
私より少し年上…。高2か高3に見える。
髪は金髪で耳にはピアスがいっぱいついていた。
「ちょっと来い。」
低い声。
そして、強引に引っ張られる。
「いやっ!」
私は反射的に抵抗した。
「離してください!」
だが、びくともしない。
男の手は鉄のように固かった。
「離してっ!」
私は必死に腕を引く。
「あなた誰なの!?」
男は答えない。
ただ、黙ったまま私を引きずるようにどこかに連れて行く。
人混みを抜ける。
提灯の灯りが遠ざかる。
祭りの音が小さくなる。
怖い怖い怖い。
頭の中が真っ白になる。
助けて。
誰か。
そう思うのに。
声が震えてうまく出ない。
そして連れて行かれた先で、私は足を止めた。
いや止まってしまった。
そこには異様な光景が広がっていた。
真紅の特攻服を着た男たち。
ざっと三十人ほど。
その向かいには。
私服や浴衣姿の若い男性たち。
十五人ほど。
そして。
彼らは。
殴り合っていた。
本気で。
容赦なく。
拳が飛ぶ。
蹴りが飛ぶ。
誰かが倒れる。
誰かが怒鳴る。
誰かが血を流している。
私は人生で一度もそんな光景を見たことがなかった。
テレビの中ですらまともに見たことはない。
紫苑兄様が私にはまだ早いって言ってそういう映画は見せて下さらないから。
だから、足がすくんでしまった。
体の震えが止まらない。
怖い怖い怖い。
もうそれしか考えられない。
私はただその場に立ち尽くすことしかできなかった。
そして次の瞬間。
私を連れてきた男が大声で叫ぶ。