財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
 校門の前で運転手の佐々木と押し問答を続けながらも、私はどうしても諦めることができなかった。

 だって、たかがファミリーレストランなのよ?

 陽菜から聞く限り、治安の悪い場所で話さそうだし。

 ……むしろ楽しそう。

 ただ学友と放課後にご飯を食べるだけ。

 それなのに、そんなことまで許されないなんて、あまりにも理不尽じゃないかしら。

 もちろん、これまでだって似たような経験は何度もあったわ。

 休日に友達と映画へ行こうとすれば護衛が付いたし、遊園地へ行こうとすれば事前に行動予定表を提出させられたし、校外学習ですら紫苑兄様は学校側へ何度も連絡を入れていた。

 だから今さら驚きはしない。

 しないのだけれど。

 今日はどうしても行きたかった。

 昼休みに陽菜が目を輝かせながら話してくれたことを思い出す。

 『新作のパフェがめっちゃ美味しいんだよ!』

 『あとドリンクバーもあるし!』

 『六花、絶対気に入ると思う!』

 あんなに楽しそうに誘ってくれたのだ。

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