財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
それなのに、
「ごめんなさい。やっぱり行けなくなったの」
なんて言いたくなかった。
私は小さく息を吐いたあと、鞄の中から携帯
を取り出した。
「……分かったわ」
佐々木が少し安心したような顔をする。
だが私は首を横に振った。
「じゃあ玲央兄様の許可を取るわ」
「お嬢様?」
「それならあなたも何も言えないでしょう?」
佐々木の顔が僅かに引き攣る。
私は構わず連絡先を開いた。
本当は紫苑兄様へ電話をかけたかった。
こういう時、最終的には長男で跡取りである紫苑兄様の判断が優先されることが多いからだ。
けれど今朝、
『今日は重要な商談があるから、帰ってくるのが夜遅くなるかもしれない』
と聞かされていた。
紫苑兄様に迷惑はかけなくない……。
となると残る選択肢は一つだけ。
私は少しだけ嫌な予感を覚えながらも通話ボタンを押した。
「ごめんなさい。やっぱり行けなくなったの」
なんて言いたくなかった。
私は小さく息を吐いたあと、鞄の中から携帯
を取り出した。
「……分かったわ」
佐々木が少し安心したような顔をする。
だが私は首を横に振った。
「じゃあ玲央兄様の許可を取るわ」
「お嬢様?」
「それならあなたも何も言えないでしょう?」
佐々木の顔が僅かに引き攣る。
私は構わず連絡先を開いた。
本当は紫苑兄様へ電話をかけたかった。
こういう時、最終的には長男で跡取りである紫苑兄様の判断が優先されることが多いからだ。
けれど今朝、
『今日は重要な商談があるから、帰ってくるのが夜遅くなるかもしれない』
と聞かされていた。
紫苑兄様に迷惑はかけなくない……。
となると残る選択肢は一つだけ。
私は少しだけ嫌な予感を覚えながらも通話ボタンを押した。