財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
「どうだ?」
それだけだった。
私は少しだけ戸惑いながら答える。
「はい、皆さんと仲良くなれたと思います。」
本当だった。
翼様とも。
蓮様とも。
碧様とも。
最初の頃とは比べ物にならないくらい打ち解けられたと思う。
だから少しだけ褒めてもらえるのではないかと期待した。
けれど。
お父様の次の言葉は予想の遥か斜め上だった。
「夜の営みは?」
私は一瞬、何を言われたのか理解できなかった。
思考が止まる。
顔が熱くなる。
耳まで熱くなる。
そして数秒後、ようやく意味を理解した私は慌てて首を振った。
「そ、それはまだです。」
声が裏返る。
恥ずかしかった。
というより。
なぜ父親とそんな話をしなければならないのだろう。
お父様は眉一つ動かさない。
まるで天気の話でもしているかのような顔だった。