財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて
その質問に俺は顔をしかめた。
「分かんねぇ。」
正直、本当に分からない。
西園寺のリムジンは運転席と後部座席の間にパーテーションがある。
窓を覗きでもしない限り、後部座席から前方の俺たちは見えない。
だから問題ないと思っていた。
だが、俺は特攻隊長だ。
隊列の先頭を走りながら交差点を切り込んで車止めをしなきゃいけない。
あの時も、信号が変わる直前に前へ出た。
そして、一瞬だけ。
本当に一瞬だけ。
窓から食い入るように俺を見つめていた立花と目があったような気がする。
「もしかしたら見られたかも。」
俺がそう言うと、幹部室が静かになった。
翼はスマホを机へ置いた。
碧も真顔になる。
しばらく沈黙。
そして。
「……いや。」
翼が口を開いた。
「たぶん大丈夫だろ。」
「そうか?」
「六花だぞ?」
「そうだよ。あの世間知らずの鈍子だよ」
碧も頷く。
「仮に見られてても気付いてないと思う。」
「それはある。」
俺も思わず笑ってしまった。
「分かんねぇ。」
正直、本当に分からない。
西園寺のリムジンは運転席と後部座席の間にパーテーションがある。
窓を覗きでもしない限り、後部座席から前方の俺たちは見えない。
だから問題ないと思っていた。
だが、俺は特攻隊長だ。
隊列の先頭を走りながら交差点を切り込んで車止めをしなきゃいけない。
あの時も、信号が変わる直前に前へ出た。
そして、一瞬だけ。
本当に一瞬だけ。
窓から食い入るように俺を見つめていた立花と目があったような気がする。
「もしかしたら見られたかも。」
俺がそう言うと、幹部室が静かになった。
翼はスマホを机へ置いた。
碧も真顔になる。
しばらく沈黙。
そして。
「……いや。」
翼が口を開いた。
「たぶん大丈夫だろ。」
「そうか?」
「六花だぞ?」
「そうだよ。あの世間知らずの鈍子だよ」
碧も頷く。
「仮に見られてても気付いてないと思う。」
「それはある。」
俺も思わず笑ってしまった。