色褪せて、着色して。Ⅷ~スノードロップ編~
「…ごめん。素直になれなくて」
太陽様は国家騎士団の制服を着たまま、
慌てて支度をして出て行った。
にこにこしながら、バニラは見送ったが。
私は「ピアノの練習で忙しい」と嘘をついて見送らなかった。
やっぱり。
素直になれない・・・
「マヒル様。少し休まれたらいかがでしょうか?」
バニラに声をかけられ、「うん」と言って弾いていた手を止める。
「さっきは、ありがとう。太陽様の相手をしてくれて」
こぽこぽと淹れてくれた紅茶からは良い匂いがする。
バニラお手製のクッキーを一枚、手に取って。
ざくっと音をたてて一口食べた。
「やっぱり、太陽様はいっつもいないのが当たり前みたいだねー」
あはははと笑ってみせたが。
バニラは目の前で微笑んでいるだけだ。
「…ごめん。素直になれなくて」
「いいんですのよ。それが人間の感情というものなのですから。複雑で時に美しく、時に厄介で…ですが、マヒル様の感情は美しいと思いますわ」
この子はいつでも、褒めてくれる。
自分が欲しい言葉をくれるような気がする。
ふぅ…とため息をついて。
窓の外を見た。
「とりあえず、明日からトペニとスズメに護衛を再開してもらおうか」
「そうですわね」
なんか、本当にトペニとスズメには申し訳ない気がしてきた。
一気に静まり返った気がする。
まるで、太陽様は嵐のようだ。
急にやって来て、急にいなくなる。
「マヒル様、一件だけよろしいでしょうか?」
「うん?」
バニラは立ち上がると、がばっと頭を下げた。
「オーロラ姫様が居住されている間、マヒル様のお相手をないがしろにしてしまいました。申し訳ございません」
慌てて支度をして出て行った。
にこにこしながら、バニラは見送ったが。
私は「ピアノの練習で忙しい」と嘘をついて見送らなかった。
やっぱり。
素直になれない・・・
「マヒル様。少し休まれたらいかがでしょうか?」
バニラに声をかけられ、「うん」と言って弾いていた手を止める。
「さっきは、ありがとう。太陽様の相手をしてくれて」
こぽこぽと淹れてくれた紅茶からは良い匂いがする。
バニラお手製のクッキーを一枚、手に取って。
ざくっと音をたてて一口食べた。
「やっぱり、太陽様はいっつもいないのが当たり前みたいだねー」
あはははと笑ってみせたが。
バニラは目の前で微笑んでいるだけだ。
「…ごめん。素直になれなくて」
「いいんですのよ。それが人間の感情というものなのですから。複雑で時に美しく、時に厄介で…ですが、マヒル様の感情は美しいと思いますわ」
この子はいつでも、褒めてくれる。
自分が欲しい言葉をくれるような気がする。
ふぅ…とため息をついて。
窓の外を見た。
「とりあえず、明日からトペニとスズメに護衛を再開してもらおうか」
「そうですわね」
なんか、本当にトペニとスズメには申し訳ない気がしてきた。
一気に静まり返った気がする。
まるで、太陽様は嵐のようだ。
急にやって来て、急にいなくなる。
「マヒル様、一件だけよろしいでしょうか?」
「うん?」
バニラは立ち上がると、がばっと頭を下げた。
「オーロラ姫様が居住されている間、マヒル様のお相手をないがしろにしてしまいました。申し訳ございません」