あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】
翌日の朝、決心した気持ちを持って、駅のホームへ向かう。
時刻は7時50分。
券売機で入場券を買い、小さな駅の、小さなホームへ改札を抜けた。
誰もいないホームに、ぽつんとひとり赤星先輩の姿があった。
大きなボストンバックを持ってベンチに座っている先輩。
すぐ横には、先輩のベース。
それを見た私は、もう我慢することが出来なかった。
「赤星先輩…!!」
「さくらちゃん…!どうして!?」
駆け寄る私を見て驚いた先輩。
だけど荷物を投げ出して、私のことを抱き締めてくれた。
「さくらちゃん!ごめん、本当にごめん!何も言わずに俺…。別れてしまうのがわかっていたから…。」
私を抱く先輩の、強い腕の力に、私の涙は止まらない。
「先輩、私もごめんなさい!意地を張って、逃げ続けて…。」
大きく息を吸って、真っ直ぐ先輩を見つめる。
いま、やっと伝えられる。
私の素直な、愛の言葉。
「赤星先輩!私、先輩のことがずっと…!」