あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】
「じゃ、いただきまーす!」
麗二くんの口の中に、吸い込まれていくいちごタルト。
無論、私の分もだ。
「あー!それは私の…!」
「あ、そうなのか?でも手が使えないんじゃ食えねーよな。」
この悪魔ー!!
私の悲痛な叫びは、いちごタルトの甘い匂いにかき消された。
物欲しそうな私の顔を、満面の笑みで見つめる麗二くん。
やっぱりこの男、根っからの悪魔みたいだ。
一生かかっても、主導権は勝ち取れなそう。