あたし恋をしてるかも【恋愛短編集】
「別にやらないとは言ってないぜ?お願いしたら、やってもいいぞ。」
お願いなんかするもんか!
なんていうちっぽけなプライドは、いちごタルトの前では全くの無意味だ。
「いちごタルト…ください。」
情けないのはよくわかっているが、やはり従ってしまう。
「ほら、口あけろ。あーん。」
そう言って私の口へと運ばれてくる、スプーンの上のいちごタルト。
と、同時に迫ってくる、麗二くんの唇。
その距離はわずか1cmほどで、少しでも動いたら触れてしまいそうだ。