金木犀の奏鳴曲(ソナタ)
「詩月と話してみるよ」

「お願いね」

ユリウスも、詩月が毎日フラフラになって帰ってくるのは知っている。

午後5時半頃帰ってきてベッドに倒れこみ、1時間~2時間、横になったままだ。

夕飯を知らせに行くのは、ユリウスの日課になっている。

詩月は長風呂はしない、半身浴で15分ほどで風呂を済ませる。

練習を始めるのは午後8時過ぎだ。

午後9時を過ぎると、防音スイッチをONにする。

詩月が部屋に戻るのは、午後10時半頃だ。

留学当初から、朝は午前5時過ぎには練習を始めている。

ユリウスがランニングから戻る頃には、マルグリットの手伝いをしている。

「ユリウス、後お願い。少し早いけれど、行くわね」

「ああ、行ってらっしゃい」

ユリウスはマルグリットを見送り、詩月に声をかけた。

「詩月、具合はどうだ?」

「……ユリウス? えっ、何時?」
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