金木犀の奏鳴曲(ソナタ)
episode5ーー真相

chapter1ーーどうにも気持ちが収まらない

小百合はどうにも気持ちが収まらなかった。

「話せない」とビアンカは言った。

何故、話せないのか、話せないと言われたら尚さら気になってしかたなかった。

小百合は横浜の聖諒学園の先輩、安坂貢がフランツ・シューベルト音楽院に留学していて、4年生に在籍していると聞いていた。

小百合がウィーンに留学してきて2ヶ月。

未だ安坂貢には会っていない。

安坂貢と緒方郁子は幼なじみで、お互いの家も近く、仲が良いのは、聖諒学園でも有名だった。

小百合は、安坂貢はビアンカが「話せない」と云う郁子と詩月のことを知っているだろうかと思った。

ーー安坂さんに聞いてみようか。いや詩月くんに直接聞いてみる? 聞いてはダメな話?

小百合の頭の中をぐるぐると思いが巡ったが、知りたい気持ちには勝てなかった。

ーーよし! 明日、安坂さんを探してみよう



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