君の隣で、私になれた
「てか莉桜…彼氏いたりする…?」
紅羽が鋭い質問を投げてくる。
彼氏いることはまだ言ってない。
自分からわざわざ言うことじゃないし。
でも聞かれたら隠すことでもない。
「…いる」
一瞬。
3人が固まってこちらを凝視してくる。
「え?」
「マジ?」
「いるの?」
「…なに、なんでそんな驚くの」
「絶対いないと思ってた!!」
…それはどういう意味だろう。
良い意味?悪い意味?
「なんで…?」
「なんか大事にされてそうだから」
「意味わからない」
笑いながら答える。
さっきから意味がわからないことだらけ。
「どこで知り合ったの?」
琉生くんが追撃してくる。
「高校!高校の1個上の先輩」
「へぇ、大学は?」
「慶應だからみんなとも一緒」
「え!そうなの!?何学部!?」
食い気味で聞いてくるのは紅羽。
「医学部」
沈黙。
「え!?医学部!?すご!!!」
紅羽の声が店中に響いた。
この反応には慣れてる。
学部の友達とか誰かに聞かれて話す。
そのたびに同じ反応されるから。
そのたびにすごい人なんだなぁと思う。
「そこ関係ある?」
呆れる新くん。
「あるでしょ!慶應医学部だよ!」
「ないだろ」
「頭良いじゃん!未来の医者だよ!」
「そこかよ」
また笑いが起きる。
4人でいると笑いが絶えない。
「で!続き!付き合ってどのくらい?」
まだ追撃あるんだ…
「もうすぐ2年かな」
「長い!!」
「めっちゃ順調じゃん!」
そう言われて少し照れる。
「まぁ…そうかも」
「あ、惚気た」
「惚気たな」
「惚気た」
3方向から言われる。
「惚気てない!」
ここでもまた笑いが起きる。
気付けば2時間近く話していた。
恋愛の話。
大学の話。
バイトの話。
どうでもいい話。
たった1ヶ月前まで他人だったのに。
不思議なくらい話が尽きない。