君の隣で、私になれた
第30話「懐いてる」
ーーー大学4年の夏。
ーー琉生side.
久しぶりのに4人で遊び来ていた。
川到着。
「川だーーー!!」
初っ端ハイテンションな紅羽。
「夏だーー!!」
そのハイテンションに乗っかる俺。
「まだ何も始まってない」
呆れたように突っ込む新。
「ふふっ」
その様子を見て笑う莉桜。
久々だけど俺たち4人はそのまま。
何も変わらない。
BBQ準備。
「肉焼けたぞー。」
焼けた肉を皿へ移す。
「焦げてる」
新が横から指摘してくる。
「これくらい平気だろ」
「じゃあ焦げたの全部お前」
「鬼畜!!」
「あんたら親子みたい。」
「新がお父さんで、琉生が息子」
笑いながら紅羽が言う。
「たしかに……」
莉桜が頷く。
「おい、納得すんな!」
笑い声。
ー一方…
「莉桜、これどう切るの?」
料理が壊滅的な紅羽と、
「これはね…、こうやって…」
慣れた手つきの莉桜。
「もー無理!莉桜助けてーー!!」
「えー」
結局全部。
莉桜が切ってる。
「莉桜に全部任せるな」
新が言う。
「紅羽も料理覚えろー」
後ろから乗っかる。
「お前だけは言うな!」
そしてなぜか俺だけ怒られる。
また笑いが起こる。
ーー食事。
4人で座る。
「そういえばさ。」
「最近どうなの?湊くんと!」
紅羽が莉桜の方へ身を乗り出す。
莉桜は少し照れた表情。
「最近すごい優しい…」
「湊いま忙しくてあんまり会えないけど」
「前よりいっぱい話すようになったし」
そして少し笑う。
「なんだろ…毎日すごく楽しい」
「きゃーー!惚気だ!めずらし!」
紅羽は目をキラキラさせて興奮気味。
「違う違う」
莉桜をそれを冷静に否定する。
それを見て新が笑う。
俺も笑う。
「ほんと良かったな」
本当にそう思った。
……なのに。
“毎日すごく楽しい”
その言葉だけ。
少し重く残った。
……。
なんで?
分からない。