君の隣で、私になれた


ーー川遊び。


「冷たーーい!」

紅羽がこっちに向かって水をかけてくる。

「うわ!冷たっ!」

俺もやり返す。

しっかり新まで巻き込んで。

「やめろ」

莉桜はしれっと新の後ろに隠れてる。

みんな笑いが止まらない。


莉桜が少し奥へ行く。

俺は反射で。

「莉桜、滑るから気を付けろよー」

「うん!」


その横で。

「ねぇ!!私は!?」

紅羽が不満そうに言う。

「お前は大丈夫」

「差別!!」

またみんなで笑う。



ーー…

その時。

紅羽が新に小声で話す。

「ねぇ、新」

「ん?」

「なんか2人、前と雰囲気変わってない?」

新は2人を見て少し考える。


「琉生は変わってない」

「あいつはずっとあんなかんじだろ」

「変わったのは莉桜」

「前よりも琉生に懐いてる」


紅羽が一瞬止まる。

「……そう、それだ!懐いてる!」

「なんか前よりさ。」

「琉生にめっちゃ自然じゃない?」

新が答える。

「まあ…何かあったんじゃね」

紅羽が笑う。

「莉桜なんか最近おかしかったから…」

「最近は楽しそうで安心した」


こんな会話をしてたなんてことは。

俺も莉桜も知らない。

ーー…



「琉生!」

莉桜が川でしゃがんで何かを見てる。

「見て!カニいた!」

「ん?」

俺もしゃがむ。

後ろから自然に莉桜の肩へ顎を乗せる。


「どこ?」

「ここ!」

「ほんとだ。川って感じだなー」

「ね!」


莉桜が振り向いて笑う。

顔が近い。

目が合う。


「……。」

胸が少しだけざわつく。

俺は自然に体を起こす。


「結構いるな、もっと探すか!」

「うん!」

莉桜は何も気付かない。

先へ歩いていく。

俺だけ立ち止まったまま。


……。

何だ今の。



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