君の隣で、私になれた


卒業証書を持って4人並ぶ。

「はい!チーズ!」


カシャ。


「ありがとうございまーす!」

写真を確認する。

「いいじゃん!」

「最高!」


そのまま。

琉生が新の肩へと腕を回す。

「新、記念にツーショ撮ろ」


その様子を見て。

「珍しい…」

紅羽がボソッと呟く。

私も同じことを思った。


いつもなら。

「暑い」

そう言って引き剥がすのに。

今日は何も言わなかった。


「新、笑え!最後だぞ!」

「……」

琉生に言われて少しだけ笑う新。


カシャ。

その一枚もちゃんと残った。



「ねぇ!」

紅羽がまた声を上げる。

「ベタだけどさ!」

「卒業証書投げない?」


「やりたい!学生最後だし!」

思わず声が弾む。

「大学生最後だし!」

「いーね、乗った!」

琉生も笑う。


「新!いいよね!?」

「まぁ…最後だしな」


セルフタイマー。

琉生がシャッターを押して駆け寄る。

4人並ぶ。

「せーの!」


卒業証書が青空へ舞う。

桜も一緒に舞う。


カシャ。


シャッターが切られる。


見上げた空はどこまでも青かった。




大学生活。

本当に楽しかった。


嬉しいことも。

悲しいことも。

全部。


この3人がいたから。


きっと忘れない。




桜の花びらが静かに肩へ落ちた。



そして私たちは。


それぞれの未来へ歩き始めた。



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