君の隣で、私になれた
「はい、莉桜も。」
「え?」
私は少しだけ戸惑う。
「ほら、莉桜あーんして」
子どもに言うみたいな。
優しい言い方。
「ねぇ!子ども扱いしてるでしょ!」
「してないしてない」
ヘラヘラした顔で笑う琉生。
「してる!」
それを見た紅羽が吹き出す。
「あははっ!」
「莉桜、それ絶対子ども扱いされてる!」
「でも!その団子ほんと美味しい!」
「だから食べな!」
琉生が笑う。
「食べないの?」
「……食べる」
少し迷うけど口を開ける。
ぱくっ。
「……!」
思わず目を見開く。
「美味しいー!」
「だろ?」
「これ好き!」
嬉しくなって笑う。
その瞬間。
琉生もふっと笑った。
なんだか嬉しそうに優しい顔だった。
「ほら美味しいって言ったじゃん」
少し得意そう。
「うん!」
その横で紅羽は。
「次あっち!食べたい!」
もう次の食べ物へ向かっていた。
「忙しいな」
新がため息をつく。
歩き出す3人。
ー…
その少し後ろで。
新がちらりと琉生を見る。
莉桜が笑うたび。
つられるように笑っていた。
「……。」
新は何も言わない。
ただ小さく。
心の中だけで呟く。
(……ふーん。)