君の隣で、私になれた
飛行機を降りる。
見送りを終えた莉桜の姿が。
少しずつ遠ざかる。
ロビーへ向かいながら。
スマホを開く。
ーー琉生。
『お疲れ!』
個人LINEの方で送信。
既読は付かない。
まだ仕事中だから。
荷物を受け取って。
到着ロビー。
「じゃあ今日は解散!」
上司が伸びをする。
「お疲れ様でした!」
「神崎、このあとどうする?」
「友達と少し会うかもしれないんで…」
「まさか…あのCA?」
「ですね」
「いいなー!紹介してくれよ!」
「だから無理ですって」
「ちっ!」
上司は笑いながら手を振る。
「じゃ、またなー」
「お疲れ様です!」
上司を見送る。
ひとりになって。
空港内のレストランへ入る。
席に座って軽く夕飯を頼む。
スマホを置く。
まだ既読はない。
料理が運ばれてくる。
丁度、それを食べ終わった頃。
スマホが震えた。
ーー莉桜。
『お疲れ様!』
『今やっと終わった』
『びっくりした…』
思わず笑う。
すぐ返信する。
ーー琉生。
『俺もびっくりした』
『まだ羽田』
『今から少しだけ会える?』
数秒後。
既読。
ーー莉桜。
『うん!』
『今から着替えるから待ってて』
自然と口元が緩んだ。
やっぱり。
会えるだけで嬉しい。
スマホが震える。
ーー莉桜。
『着替え終わった!』
『今から行く』
ーー琉生。
『了解!』
送信して。
ロビーに座って待つ。
数分後。
「琉生!」
名前を呼ばれる。