君の隣で、私になれた


「じゃ、琉生と莉桜!」

「新と私!チーム決まりね!」


こいつ……

テキーラ回避したいだけだろ。


けど笑いながら受け入れる。

「いいよ」


「莉桜、持ち方だけ」

隣へ行く。

「こんなかんじで肘固定して」

「投げるんじゃなくて、」

「押し出す感じ?」


「こう?」

「そうそう」


恋愛じゃない。

大学の頃と同じ。

友達として教えるだけ。


結果。

さすがに勝てなかった。


「はい負けー!」

紅羽が叫ぶ。

「テキーラ二杯!一人一杯ね!」

莉桜が申し訳なさそうに笑う。

「ごめん!私のせい……」

「いや、さすがに不利だったろ」

二杯とも取る。


「俺が二杯飲む」

「えっ!でも……」

「大丈夫」

そのまま二杯一気に飲む。

久々に飲んだけどやっぱり強い。


「うわー!」

紅羽が笑いながら拍手。

新は苦笑い。

「馬鹿」

「まだ余裕」

笑って返事をする。


莉桜はまだ少しだけ。

申し訳に笑う。


「前もこんなんあったよね!!」

紅羽が笑う。

「あった」

新も頷く。

「やっぱ琉生って莉桜に甘い!」

「そう?」

「絶対そう!!」

そのやり取りを見て莉桜が笑う。


その笑顔が嬉しかった。




ーー外に出た頃には。


終電ない。


「……終わってる」

莉桜がスマホを見る。

「遊びすぎたね〜」

「タクシーで帰る?」


誰も動かない。

「……。」

少し沈黙。

たぶん考えてることは同じ。


紅羽が口を開く。

「みんな休みでしょ?うち来る?」

「泊まれば?」


「泊まる」

俺は即答。

「俺も」

珍しく新も乗ってくる。


「莉桜は!?」

みんなが莉桜を見る。

一瞬だけ止まる。

たぶんだけど昔の癖。


“帰らなきゃ”

それが刷り込まれてる。


でも少し笑って。

「私も泊まる!」

その一言でみんなが笑った。


その笑顔を見て思った。

また4人で。

新しい思い出を作っていける。




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