君の隣で、私になれた
琉生がスマホの画面を見せてくる。
「みてこれ」
紅羽たちとのグループLINE。
『新も絶対来い』
『逃げんな』
『既読つけたよね?』
「うるさい」
「返事しないの?」
「しない」
「紅羽泣くぞ」
「知らん」
琉生がLINEを見ながら笑う。
「お前さー、紅羽には辛辣だよな」
「あいつうるさいだろ」
「それはそう」
即答する琉生。
「本人に言ったら怒られるぞ」
「もう怒ってるだろ」
「たしかに」
琉生は楽しそうに大笑いする。
こいつもなかなか悪いだろ。
「でも嫌いじゃないだろ?」
「嫌いなら話さない」
「だよな」
琉生は満足そうに笑って立ち上がる。
「じゃあ俺行くわ」
「おう」
「課題頑張れー理工諸君っ」
「お前も授業出ろ」
「善処しますっ」
「出ないやつの返事」
いつもみたいにヘラっと笑う。
その時。
「琉生くーん!」
少し離れた席から琉生に手を振る女子。
「あ」
「また呼ばれてる」
理工の友達が呟く。
琉生はというと笑顔で手を振り返している。
「今日来る?」
「たぶん行く」
「絶対来てよ!?」
「善処します」
「それ来ないやつじゃん!」
女子たちが笑う。
てか、また言ってる。
「えー、ひどいなー」
そのまま琉生は女子たちの方へ去って行った。
少しの沈黙。
「モテるな」
「モテすぎだろ」
「俺らと同じ大学生とは思えん」
「あれは別世界だろ」
「わかる」
「学食いるだけで女子から大人気」
「片っ端から声かけられるやつ初めて見たわ」
「しかも本人慣れてるし」
「腹立つな」
笑いが起きる。
事実だし悪口で言ってるかんじではない。
だからわざわざ否定はしない。
「そしてチャラい」
「チャラいな」
「てか意外だよな」
友達の1人が俺の方を見て言う。
「何が」
「お前と神崎」
「それ、俺もずっと思ってた」
「全然タイプ違うじゃん」