君の隣で、私になれた

第59話「可愛かったから」



ーーー翌週。

ーー莉桜side.


琉生との約束の日。


待ち合わせは家の前。

「着いた」

琉生からLINEが届く。


玄関を出ると琉生の車が見える。

助手席の窓がゆっくり下がる。


「おはよー」

「おはよう!」

思わず笑ってドアを開ける。


「……あ。」

シートの上に。

ふわふわのひざ掛け。


「寒かったら使って」

思わず笑う。

「ありがとう」

「準備いいじゃん」

「だろ?」

得意そうに笑う琉生。


助手席へ乗り込む。


そして。

「はい。」

紙袋を差し出す。

「え?」

「ホットカフェラテとホットコーヒー」

「琉生ブラックでしょ?」

「買っといた!」


琉生が少し驚いて。

紙袋を受け取る。


「……マジ?」

「うん。」

「ありがと」

少しだけ笑う。


車が走り出す。

暖房で車内は暖かい。


「今日も可愛い」

ふいに。

琉生が言った。


「え?」

思わず振り向く。

「その服、似合ってる」

「……ありがとう」


なんだろう。

今までだって琉生は何回も。

可愛いって言ってくれてた。


なのに。

今日は少しだけ照れた。


……変なの。


「照れた?」

「え!照れてない!」

「へぇー?」

「ほんとに!」

笑いながら琉生が前を向く。


「照れてる顔も可愛い」

「もう!」

思わず笑ってしまう。


「今日はいつもより言うね」

「そう?」

「うん」

「思ったこと言ってるだけ」

あっさり。

本当にそれだけみたいに言う。


だから。

何も返せなくなる。

窓の外を見る。

心臓が少しだけうるさい。



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