愛とか恋とかウザいので
重之の呼び出しを半ば強引に終わらせてハルモニアを出た蒼弥は、会社から少し離れた場所にあるホテルのラウンジに向かった。
「早瀬社長」
蒼弥の姿を認めるなり、奥の方の席を陣取っていた恰幅のいい年配男性が立ち上がる。
蒼弥がそちらへと足を向けると、彼の隣に座っていた女性がゆったりとした動きで立ち上がり会釈した。
彼女のその動きに合わせて、腰まである艶やかな髪が、さらりと流れる。
「お忙しい中、お時間をいただいて申し訳ありません。お越しいただかなくとも、こちらから御社にお伺いいたしましたのに」
平身低頭といった感じで話す年配男性の隣で、顔を上げた女性が意味深な微笑みを浮かべる。
自分に向けられる女性の眼差しに、蒼弥は煩わしいと息を吐く。
モテ男を気取るつもりはないが、仕事にかこつけて蒼弥と特別な関係になろうとする者が時折現れるので煩わしい。
しかも今回の相手は……。
「改めてになりますが、私は、十和企興常務の館野政夫と申します。こちらは娘の眞希子で、早瀬社長とは、先日お会いしたそうで……」
名刺を取り出し自己紹介をする館野常務の隣で、彼の娘である眞希子が、媚びた笑みをこちらに向ける。
挨拶と共に差し出された名刺を受け取り、蒼弥も自分の名刺を差し出して、儀礼的な挨拶を返す。
「移動の合間の短い時間しか取れず申し訳ない」
テーブルを挟んで向き合って座る蒼弥は、眞希子の熱っぽい眼差しには気付かぬフリで噓をつく。
「早瀬社長」
蒼弥の姿を認めるなり、奥の方の席を陣取っていた恰幅のいい年配男性が立ち上がる。
蒼弥がそちらへと足を向けると、彼の隣に座っていた女性がゆったりとした動きで立ち上がり会釈した。
彼女のその動きに合わせて、腰まである艶やかな髪が、さらりと流れる。
「お忙しい中、お時間をいただいて申し訳ありません。お越しいただかなくとも、こちらから御社にお伺いいたしましたのに」
平身低頭といった感じで話す年配男性の隣で、顔を上げた女性が意味深な微笑みを浮かべる。
自分に向けられる女性の眼差しに、蒼弥は煩わしいと息を吐く。
モテ男を気取るつもりはないが、仕事にかこつけて蒼弥と特別な関係になろうとする者が時折現れるので煩わしい。
しかも今回の相手は……。
「改めてになりますが、私は、十和企興常務の館野政夫と申します。こちらは娘の眞希子で、早瀬社長とは、先日お会いしたそうで……」
名刺を取り出し自己紹介をする館野常務の隣で、彼の娘である眞希子が、媚びた笑みをこちらに向ける。
挨拶と共に差し出された名刺を受け取り、蒼弥も自分の名刺を差し出して、儀礼的な挨拶を返す。
「移動の合間の短い時間しか取れず申し訳ない」
テーブルを挟んで向き合って座る蒼弥は、眞希子の熱っぽい眼差しには気付かぬフリで噓をつく。