この恋心を悟られてはいけない
 絵は例外にしても、盗まれたものやなくなったものを発見してきたのはヴェルデだ。
 初めは偶然だった。バックヤードを清掃している最中に見つかった。その後は二階の掃除中、洗い物中と偶然が続いたため、こうして店長から声をかけられるようになった。
 
 今日もおそらくそうだ。盗みを働いているとすれば服だけではないと思うが、使用済みの服を何らかの手段で客に売りつけている可能性はある。
 
 売るなら人目のない個室--つまりは二階である。
 その時着ていた服を売っているだけなら、店長も大目に見てくれるのだろうが、少し嫌な予感がする。
 
 念入りに探してみたが、なかなか見つからないからなおのこと。
 やはりこの部屋に何かあるとの確信が強まっていく。そもそも毎回物を持ち込んでいるなら、部屋はどこでもいいはずなのだ。
 
 大きく息を吸い込み、思考を巡らせる。

「せめて隠されている物が分かればなぁ」
 愚痴をこぼしたところで答えが目の前に現れるわけではない。
 探したつもりになっている場所に必ずあるはずなのだ。

 それにヒントはある。

 彼女の身長はヴェルデとほぼ同じ。
 この部屋で踏み台に使えそうな物はベッド一択。近くに物を隠せそうなものはないため、高いところは除外していい。
 
 隠すなら清掃場所以外。
 普段の清掃なら目を向けない場所はどこか。

 たまに掃除する場所もダメだ。店の開店準備が早く終われば水場も念入りに掃除されるため、見つかる可能性がある。
 
 よほどのことがなければ確認されない場所。
 かつ彼女自身が取り出しやすい場所。
 
 かつて盗品が隠されていた枕の中・手洗い場の下は確認済み。
 引き出しの中にフェイクの板はなかったし、ベッドの裏側に貼り付けられてもいなかった。
 
 残るは――。
 部屋中を見まわしていたヴェルデの視点がとある場所で止まる。
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