この恋心を悟られてはいけない
「じゃあ俺は今からヴェルデと壊れた備品の買い出しに行ってくる。エリックには清掃中の札かかってるところ以外はタオルを補充しておくように伝えておいてくれ」
「分かりました。お気をつけて」
 
 ビリーに見送られ、ヴェルデとアンセルは城下町に繰り出す。向かう先は雑貨屋でも家具屋でもない。城門内にある警備小屋である。

 長い取り調べが待っているかもしれないと思うと憂鬱だ。開店前に戻れるといいのだが……。
 
 
 城へ向かう道中、ヴェルデとアンセルは会話をしながらも目ではお目当ての品を探していた。

「新しいライト、どんなのにしましょうか?」
「この前、城の近くで良いステンドライトを見つけたんだが、あれ高いんだよな……」
「予算ってどれくらいなんですか?」

 ヴェルデの問いかけにアンセルは四本指を立てた。店に並ぶライトの平均価格がそれくらいだ。少なすぎず、かといって多いわけでもない。だからこそセンスの良いものを探し出すのは困難である。

 うーんと悩みながら歩き続けているうちに目的地に到着したのだ。すかさず門番が前にやってくる。

「用件は?」
「事件が起きたからその報告に」
「ならあちらで記入を。終わったら奥の者に提出するように」
「ああ」

 アンセルは慣れた様子でスタスタと進んでいく。彼が書類に要件を記入している間、ヴェルデは上を見上げた。

 一体どれほどの高さがあるのだろう。ぼんやりと考えていれば「行くぞ」と声をかけられる。

 モノがモノであるため、中での事情聴取が行われることになったらしい。部屋の中で控えていた騎士と共に奥へと進もうとしている。急いでその後に続いた。

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