この恋心を悟られてはいけない
オレンジジュース同様に、合図の品として決めていたサービス品を運んでいく。
「オレンジジュースお待たせしました! こちらサービスのチーズです」
『チーズ』なら作戦決行。
『ナッツミックス』なら少し待機。
彼は「悪いな」と笑い、例の彼女を指名した。
いかにもお金持ちそうなリオネルに釣られ、接客スマイルでやってきた彼女の腕を掴む。
「確保!」
リオネルの叫びに、まだ少ない客達が固まった。立ち上がり、急いで逃げ出す者もいたがそちらは外で待機している騎士達に捕獲されることだろう。スタッフも同じ。
無事に捕まり、腕を拘束された彼女の姿を見て、ヴェルデはホッと胸を撫で下ろした。
「協力感謝する」
ピシッと敬礼をし、リオネルは彼女を連れて去って行った。
騎士が入ったという情報は客とスタッフ達に駆け巡ることだろう。今後、よほどの理由がなければこの店が使われることはないはずだ。
「ほらお前ら、仕事に戻れ〜」
アンセルはパンパンと両手を叩き、固まっているスタッフの意識を引き戻す。
「皆さんにはつまみをサービスさせてもらいますので」
「飲み物じゃないのかよ〜」
「飲み物をサービスしたらスタッフに注文できないでしょう?」
「そりゃあ違いねぇや」
客達も店長の様子を見て、次第にいつもの調子に戻っていく。
騎士が店に突入してくることはほとんどないが、あることはあるのだ。それも店自体に監査が入ったわけではなく、目的はスタッフ一人。最近入ったばかりということもあり、他で問題を起こした子を雇ってしまったのだろうと納得してくれたようだった。
スタッフ側からしても、浮いていた子が連れていかれただけ。何かあったのだろうと思いつつも深く突っ込むことはせず、自分達の仕事に戻って行った。
ヴェルデ達が事件に関わるのはこれで終わり。
あとは騎士団側がどうにかしてくれるはずだ。
――その時のヴェルデはそう信じて疑っていなかった。
「オレンジジュースお待たせしました! こちらサービスのチーズです」
『チーズ』なら作戦決行。
『ナッツミックス』なら少し待機。
彼は「悪いな」と笑い、例の彼女を指名した。
いかにもお金持ちそうなリオネルに釣られ、接客スマイルでやってきた彼女の腕を掴む。
「確保!」
リオネルの叫びに、まだ少ない客達が固まった。立ち上がり、急いで逃げ出す者もいたがそちらは外で待機している騎士達に捕獲されることだろう。スタッフも同じ。
無事に捕まり、腕を拘束された彼女の姿を見て、ヴェルデはホッと胸を撫で下ろした。
「協力感謝する」
ピシッと敬礼をし、リオネルは彼女を連れて去って行った。
騎士が入ったという情報は客とスタッフ達に駆け巡ることだろう。今後、よほどの理由がなければこの店が使われることはないはずだ。
「ほらお前ら、仕事に戻れ〜」
アンセルはパンパンと両手を叩き、固まっているスタッフの意識を引き戻す。
「皆さんにはつまみをサービスさせてもらいますので」
「飲み物じゃないのかよ〜」
「飲み物をサービスしたらスタッフに注文できないでしょう?」
「そりゃあ違いねぇや」
客達も店長の様子を見て、次第にいつもの調子に戻っていく。
騎士が店に突入してくることはほとんどないが、あることはあるのだ。それも店自体に監査が入ったわけではなく、目的はスタッフ一人。最近入ったばかりということもあり、他で問題を起こした子を雇ってしまったのだろうと納得してくれたようだった。
スタッフ側からしても、浮いていた子が連れていかれただけ。何かあったのだろうと思いつつも深く突っ込むことはせず、自分達の仕事に戻って行った。
ヴェルデ達が事件に関わるのはこれで終わり。
あとは騎士団側がどうにかしてくれるはずだ。
――その時のヴェルデはそう信じて疑っていなかった。