王子様は私に夢中
目を開けると、男の子が横で気を失っている。
「大丈夫!?ねぇ!」
私が男の子の身体を揺らすと、男の子が小さく呻き声を上げて、目を開けた。
「え…ここどこ?えっ…っと…あなたは誰ですか?」
「いきなり貴方が目の前で苦しみだして、私が背中をさすると、地面が真っ黒になって落ちたの…。そういえば…ここどこ…?私にもわからない…。」
周りは博物館の様な石でできた壁に彫刻が彫られている。
「おい。2人いらっしゃる。両方、賢者様か?」
「いえ…。召喚の書物には1人と…。」
「調べろ。」
「はい。」
1人のマンガで見るいかにも魔術を使うような格好の男が、何か呪文を唱えた。
何も起こらない…。
「うわっ。」
高校生の男の子の身体が光っている。
「おぉ!この方です!この方が賢者様だ!」
皆が高校生の子の所へ行き、崇めている。
そして、その男の子は連れて行かれて私はその場に残った。
「あの…私、場違いみたいなので、帰らせてもらえませんか?」
「すまないが、帰らせる術はない。」
「えっ?嘘でしょ…?」
「申し訳ない…。」
「そ、そんな…。」
「どうしましょうか?」
「うーん…。」
私の扱いに困ってる。
でもここを出されたら私、生きていけないかも…。
「ここで、働かせてもらえませんか?」
「ここで?」
「はい。私…。ここを出されたら…。」
まずは住む場所を確保しないと。
「わかった。執事長を呼べ。どこか空いている所に配属を。」
男の人が入ってきて、説明を受けている。
「かしこまりました。では、お嬢さんこちらへ。」
別室へ案内されて、説明を受ける。
「私は執事長のシャットです。説明致します。ここには第5王子までいらっしゃいます。そして、各王子には数百人の使用人が仕えております。貴方…。」
「大月です。」
「オオツキ?それが名前で?」
「いえ、名前は澪です。」
「オオツキだとここではちょっと浮いてしまいますので…。澪さんとお呼びしてもよろしいですか?あと、ここでは異世界から来た事は言わない様に…。」
「はい。」
「澪さんの担当して頂くのは、第3王子のネルカ様です。そしてこちらが第三グループの執事長のカルファです。」
カルファさんが一礼をして引き継ぎをしている。
「では後はこちらのカルファが引き継ぎ致します。」
「ありがとうございました。」
カルファさんが、今度は説明してくれた。
「ネルカ様は…、このお方は…。まぁ、澪さんがお目にかかる事は無いかと思いますので、説明は省きます。貴方のお仕事は、この第三グループのメイドや執事達の着ている物の洗濯や使っている場所の掃除になります。後は花の手入れの手伝いです。」
「はい。」
「そしてここが貴方のお部屋です。」
4人部屋で部屋には、二段ベットが2つ並んでいた。
「ここを使ってください。」
右の下の段を貰えた。
私は服を着替えて仕事場に案内された。
沢山の服を洗濯している人がいる。
場所を変えると掃除をしている人がいる。
そして私が働く場所。
「貴方には、このお花の手入れの手伝いをお願いします。サレイ!この子、今日入った新人だ。名前は澪さん。よろしく。」
「ん?あぁ。早速、こっちに手伝い頼む。」
「はい。」
私はサレイさんの手伝いをした。
花壇がいくつもあり、段階的に花が咲くようにもなっており、とても愛情が注がれているのがわかる。
私は働きながら、魔術師の所へ、帰る方法が見つかったかを確認するため毎日通った。
でも見つからない…。