あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 残りの部屋は、避難民達で分け合って生活してもらうことになった。さすがにそこまで木箱も用意できないので、床に直接布団を敷いてその上で休んでもらう。これでも、寝床が用意できただけ上等だ。
 室内は天井から垂らした布でいくつかの区画に分けられ、その一つの区画を一家族、またはグループにされた人達で分け合って使う。
 こうして、なんとか避難民を収容することはできたけれど、狭いところにひしめき合っての生活だ。すぐに問題が山積みになった。
 たとえば、区切られている部屋の中、一番人気は、魔石ストーブに近い区画だ。一部屋に三台魔石ストーブを入れてあるが、それでも離れている場所は冷える。
 時々、場所を巡って争いになることもあり、そういった時には騎士達が出て場を収めることもあった。
 新たに発熱する者が出れば、病人を隔離している部屋に入らねばならない。逆に体調がよくなっても、大部屋に行きたくないと駄々をこねる者もいて、役人達だけではなく騎士が駆り出されることになった。


 避難民達が来てひと月。
 東の街道はまだ封鎖されたままだった。食料が入ってこないために、きりきりとしてしまう。
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