あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 何度かこうして打ち合わせをしている間に、席順は自然と決まっていた。

「辺境伯様、新しい問題でも?」

 話の口火を切ったのは、コルネリオだった。彼の手元には、ここ最近起きた出来事、発生した問題を記した書類が用意されている。

「問題と言えば問題だ。王都から監査官が来る。ステファノ・パラディーヌ侯爵だ」
「――は?」

 遠慮のない声をあげたのはソリンだ。
 声をあげるところまではいかなかったけれど、エルニーナもしかめっ面になってしまった。
 ステファノ・パラディーヌ侯爵。かつての上司である。
 エルニーナの提案は何一つ受け入れられず、結局こんなところに送り込んだ張本人だ。

「監査って、辺境伯領には特に問題はないでしょう。王都の方の問題でしょうか」
「この冬に、大量の食べ物や燃料としての魔石を集めたのが王都で問題になっているらしい。国王に対して、反旗を翻すつもりではないかと」
「――あ?」

 エルニーナの質問に答えたドラヴェンの言葉を聞いたソリンの口から、またまた辺境伯の前とは思えない低い声が出た。

「反旗ってありえませんよ!」
「あの人は、何かと疑り深いからな」

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