あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 セヴェロと話をしていたら、ドラヴェンがそう頼んできた。

(あれから、なんとなく辺境伯様の顔を見づらいのよね……)

 ドラヴェンが封鎖された街から帰ってきた日。エルニーナは思わず彼の胸に飛び込んでしまった。
 彼も嫌がることなくエルニーナを受け止めてくれたけれど、そもそも上司に抱き着くというのはどうなのだ。
 ソリンににやにやされなかったとしても、嫌でも自覚せずにはいられない。
 エルニーナは、ドラヴェンに好意を持っている。それも恋愛感情か、限りなくそれに近いものを。

(だからと言って、何ができるというわけでもないし)

 ソリンは面白がっているが、彼との間には何も起こらない。いや、起こしてはならない。そう決めている。

「コルネリオさんを呼んできます」

 かすかに頬が上気したのは、誰にも気づかれていないことを願いながら、役所の方へと足を向けた。
 コルネリオを呼んで戻ってきた時には、ドラヴェンは自分の机ではなく大きなテーブルについて待っていた。
 角を挟んで彼の右隣にエルニーナ、その隣にソリン。エルニーナの向かい側にコルネリオ、隣にセヴェロと座る。
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