あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 ステファノの前で、エルニーナは胸を張って答える。恥じなければならないことは何もない。ドラヴェンはエルニーナを信頼してくれたし、エルニーナは懸命に彼の期待に応えただけ。

「いくら王都から派遣された人材とはいえ、男爵令嬢に頼らねばならないようでは、辺境伯家もたいしたことはないな」
「――なっ」

 反論しかけて、エルニーナは自分の手で口を押さえた。
 ドラヴェンは言っていたではないか。国王マクシムは、ドラヴェンを煙たがっている。こうやってエルニーナを揺さぶることで、国王に対して反抗的な発言を引き出したいのかもしれない。

(辺境伯様は、そんな人ではないのに――)

 だが、エルニーナの言葉に、なんの意味があるというのだろう。実際、ステファノだってエルニーナを軽んじている。
 ここで迂闊にエルニーナが反論すれば、ステファノはドラヴェンに簒奪の意志ありとして王都に報告するかもしれない。

(正確な報告をしてくれるのではないかって期待していたのに……)

 とも思ったけれど、結局それはエルニーナの勝手な期待でしかない。

「ところで、ここでこれだけ武器を新たに買っているようだが」

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