あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
「なるほど。職務に忠実ということだな。理解した」

 迂闊に食事を共にして、接待を受けたという形を作りたくないらしい。
 一緒に仕事をしたい相手ではないが、そういう意味では、信頼していいのかもしれない。きっと、王家にも正確な報告をしてくれるだろう。


 エルニーナの期待はともかくとして、監査室に入ったステファノは容赦なかった。

「ヴァレスク男爵令嬢、君は権限を辺境伯から与えられていたのか?」

 彼の目の前にあるのは、この冬、食料や燃料を買い集めた時の帳簿だ。
 普段領地に出入りしている商会だけでは足りず、新たに取引相手となったアルジェンタ商会にも協力を仰いだ。
 辺境伯領の倉庫で使い物にならなくなっていた武器は、修理すれば使えるものは修理して予備として再利用。
 修理しても使い物にならないと判断したものは、くず鉄として再利用するために処分した。そうして得た収入も、この冬の備えに回したのだ。
 もちろん、エルニーナでは武器のよしあしの判断はつかないため、そのあたりは辺境伯家の騎士達の協力を得て行った。

「はい、辺境伯様から権限をお預かりして私が担当いたしました」

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