あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 どの地域にどんな魔物が出たか、数はどのぐらいか、どんな攻撃方法を持っているか、よく知られている魔物と違いはあるか等、定められた形式の報告書を書くのは遠征後の騎士達を悩ませる仕事らしい。

「騎士団の専属文官……ですか?」

 現時点で、騎士団に専属の文官はいない。なぜ、今になって文官を派遣することにしたのだろうかと疑問が浮かぶ。

「補給の計画を立てるにしても計算を苦手とする者も多い。それで、文官を派遣することにした。君は計算が速くて正確だ――国内の地理にも詳しい。君が適任だろう」

 反対はさせないと声音ににじませながら、ステファノは話を続ける。エルニーナが嫌だと言っても、断れるはずもないけれど。

(……配属先が変わるのは悪くないかもしれないわね)

 エルニーナの能力を使えば、本人の希望と適性が一致した場所に配属できるのではないかと思っていたから人事部への配属を希望した。
 だが、現実はあまくなかった。
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