あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 希望の部署に配属はされたものの、エルニーナに与えられる権限といえば、送られてきた履歴書の中から面接に進められる人材を選ぶことぐらい。それも、ステファノや他の上司達の一存で勝手に変えられてしまうことも多々あった。
 意外と騎士達は、自分達の役に立つとなればエルニーナのような人の提案でも受け入れてくれるのは今までの経験上知っていた。

「先方は、なるべく早く君に来てもらいたいそうだ」
「承知しました」

 騎士団の配属になったら、ソリンとのランチの時間を取るのは難しくなりそうだ。

(……ここで、役に立つって思ってもらえたら、私達への見方も変わるかも)

 女性の文官は、低く見られがちだ。だが、新設の騎士団でエルニーナが功績を上げたなら。
 もしかしたら、女性の文官に対する周囲の評価を変えられるかもしれない。少しでもいい。騎士団の役に立てるようにしようと思った。


 新たに設立された騎士団へとエルニーナの所属が変更になったのは、一週間後のことだった。基本的に、引継ぎの作業などもあるため部署の異動にはもう少し時間を与えられるのが通例だ。
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