あなたは王の器じゃありません 文官令嬢、辺境の地でその才を発揮する
 次に辺境伯家の倉庫を整理し、騎士団の倉庫の整理はそのあと――いや、逆の方がいいか。
 辺境伯家の執事ジャイルは、先代辺境伯の頃から仕えているという。ドラヴェンにとってはもう一人の父親のような存在らしい。

「私でもわからないものが出てきた時には、お調べいたします。お任せくださいませ」

 エルニーナを執務室まで案内してくれたのも彼だ。まだ顔を合わせるのは二回目だが、顔を合わせたことがある人が手伝ってくれると聞いてほっとしてしまう。
 こうして、辺境伯領に到着した翌日から、エルニーナの奮闘が始まった。

「俺達がお手伝いさせてもらいます。なんでも聞いてください」

 力仕事が得意な者――辺境伯家の下働きの男性と、見習い騎士達が今日は手伝いに来てくれた。

「では、一番手前の箱から片づけていきましょう。下ろしてもらえますか?」

 倉庫を入って真正面に積み上げられている箱から片づけていくことにする。下ろした木箱の蓋を開くと、中からは石のかけらのようなものが出てきた。

「こちらは、鉱石の見本でございますね。先代の時代に、鉱山の発掘を試みた時代があったのですが……」

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