終わる世界は君色に染まる
「おーい、棚倉ー!どこだー!」
思ったよりも時間が経ってしまっていたらしい。
心配した上司が探しに来てくれたのだろう。
「“たなくら”って、蒼のこと?」
「あぁ。探されてるみたいだから、もう行かないと」
そう言いながら、俺は立ち上がった。
「……蒼……!」
ノアがさっきまでとは別人のように少し大きな声で俺を呼んだ。
「……また会いに来てくれる……?」
その様子はまるで本当の人間のようだった。
「もちろん。またすぐ会いに来るよ」
そう言って、ノアの頭を優しく撫でた。
ノアを見ていると地球にいる妹を思い出し、つい頭を撫でるなんてことをしてしまった。
「うん……待ってる」
少し嬉しそうな声色でノアは言う。
「じゃあ、またね」
ノアに手を振りながら上司が呼ぶ声の方へ歩き出した。
——気のせいかもしれないが、ノアの表情がどこか悲しげに映った。