終わる世界は君色に染まる
「他にはどんなことをしてるの?」
……相変わらず、俺は目の前にいる少女がアンドロイドだとは思えなかった。
“心”というものはないだろうが、アンドロイドも人と同じように多少の感情を出して話す。
でもノアは本当の人間のように気持ちがこもった言い方をし、無表情で分かりにくいがコロコロと表情を変えて話すのだ。
……本当は人間じゃないのか……?
でも咄嗟についた嘘にしては少しリアルさがあるような……。
「……蒼?」
名前を呼ばれ、現実に引き戻された俺はノアが覗き込んでいることに気付く。
「あ、ごめん。考え事してて……」
俺がそう言うと、さっきまでの興奮が嘘だったかのように急に冷めるノア。
「……蒼の他にも人間が来てるの?」
「そうだよ。俺の上司だけでなく、いろんな人がここに来てる」
「……そっか」
ノアの表情が一瞬、曇った気がしたが急に聞こえてきた上司の声であまり気に留めなかった。