Hidden love.
「男が一番悔しくなる瞬間は、自分が手放した女性が自分のことを全く気にせず幸せになっている姿を見る時だと思う。だから、清花を幸せにして、あんな男を忘れさせる。誰も傷付かない復讐方法だろ?」

「そんなん…、あんたに何のメリットが…」

「メリットとかじゃない。好きだからこんな提案をするんだよ」


 好きだから、の言葉に心臓が跳ねる。まだ彼が私に対して好意を持っているなんて、思いもしなかったから。

 もしこれが彼からの提案じゃなければ、きっと何か裏があると読んで絶対に受け入れなんかしない。でも、あまりにもまっすぐで、真剣に言ってくるから。それと、嘘を吐く人じゃないという過去の信頼がある。

 彼の手に縋りたくもなるけれど、過去のこともあり、私はなかなか取れなかった。あんな身勝手な理由で突き放した私が、もう一度彼の手を取るなんて。

 答えに悩んでいると、大樹は私の腰を引き寄せ両手で逃げられないように支えられる。私が見上げると、大樹は見下ろし微笑んでくる。


「清花の復讐も叶えながら、俺は清花を幸せにして、自分に惚れさせたい。だから、結婚しよう」


 そう言いながら耳元に口付けてきて、私は慌てて彼の顔を押し返す。


「な…! ぶっ飛んでる…!」

「一年一緒に暮らして、嫌なら離れればいい。今時、バツ一も珍しくないだろ」

「そういう問題か…!」


 大樹の身体を軽く離すと、深呼吸をする。
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