Hidden love.
「俺は、今の状況じゃ何も手を貸してやれない。でも、清花が訴えに出て、支社への異動を条件で和解を出してくれれば、こっちも距離を離してやれる。その後、籍を入れてもいいのかな、とは思ってる」

「…でも、そんなことしたら計画的だってバレない? 大樹の評価的にもよくないと思う」

「そうでもない。そもそも先に道理に外れたことをして、人の人生を壊したのはあいつなんだよ。同じ代償を受けさせるべきだと思う」


 ここまで話を大きくするつもりはなかった。戦い続ける気力も、正直失われていて、すごく悩んでいたところだったから。

 このまま私が我慢すれば済む話だと思えば、騒ぐ気にもなれなくて。理性でそう押さえ込んでいる私と、当然大樹の言う通り、全て奪ってやりたいという感情的な私がいた。


「…本当に、上手くいくのかな」

「相手は清花が泣き寝入りすると思い込んでるんだよ。だから油断もしてる」


 舐められている事自体は確かに腹が立つ。それでも、別にお金が欲しい訳でもない。本当に労力を割くほどのことか…。


「清花が頑張らなきゃならないことだから強制はしない。でも、絶対に一人にしないから。清花が頑張るなら、俺は全力で支える」


 一人にしない。そんな大樹の一言は確かに私に勇気を与えてくれる。

 檜山さんの幸せを壊すのは違う、なんて思っていたりもするけれど、確かにあんな最低な男を許す方が、見逃したようで、そちらの方が自分を許せないかもしれない。

 あんな男が誰かを幸せにできるわけもない。
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