Hidden love.
 ひとまず業務を開始するも、集中なんて当然出来るはずもなかった。頭の中の思考は、航平と檜山さんの結婚についてのことでいっぱいだ。

 開いているメールには会社が吸収されるという案内が出ていた。そんな大きな出来事も今は気にならないほどに、先程の話がしみついて離れない。

 仕事の事なんて、今はどうでもいい。

 私のこの四年間何だったのだろう。彼と結婚をすること以外考えていなかったのに、その道は消え、突如広い砂漠に砂嵐の中放り込まれた、そんな気分。途方もない道のり、どこに向かえばいいかも分からない。

 そして、捨てられ、自分よりも若く、綺麗で、条件のいい女性を選ばれた、という惨めさ。周りの視線も痛々しい。

 今の私には強がり、堂々とした態度でここで仕事をすること。今は気が抜けないから涙も零せない。弱い私を見せて、また惨めになりたくないのだ。

 社会人として、いまは仕事を完遂しなければ。そう理解していても、頭の中では航平と檜山さんのことが頭に浮かぶ。
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