Hidden love.
⏱‪𓈒𓏸


「落ち着いた?」


 大樹の胸元から顔をあげられない。きっと私の顔は涙で目が腫れて、メイクが落ちてボロボロだから。

 落ち着いた途端羞恥心が湧いてきて、この先どう動けばいいかわからない。

 大樹はハンカチを取り出すと、私の涙の痕を拭いてくれる。優しく丁寧に。


「…ごめん。スーツ、濡らしちゃったわね」

「気にするなよ。というか、俺は思い切り清花が泣いてくれたことに安心してる」

「どうして?」

「ずっと、気が張り詰めていて、何をしていても堅かったから」


 態度に出さないように気を付けていたつもりだった。いつも通りの私を心がけていたつもりなのに。そんな些細な変化すらも見逃さず見ていてくれた大樹。

 照れ臭さもあるけれど、嬉しい。


「…やっと、終わったんだよね」

「…ごめんな」

「何で大樹が謝るのよ?」

「あいつは受けるべき報いは受けたと思う。それを見れば、少しは前向きになれるかもなんて、思ってたんだ。泣き寝入りしたままじゃ、清花は引きずるんじゃないかって。だけど、こんなことしたところで、スッキリなんかするわけないよな。謝罪をされたでもないし」


 あの男は最後まで罪悪感を見せることはなかった。むしろ最後は、自分が被害者だとでも言わんばかりの態度で、見ていられたものでもない。
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