Hidden love.
「どうして? この間の結婚指輪を調整に行くことだって出来たでしょ」

「あの時、急いで結婚する気だったから急遽用意したけど、でも本当は、二人で気に入ったものを着けたいし、一緒に選びたい」


 決して安い買い物ではない。生半可な贈り物じゃないこともわかっている。

 気持ちも素直に嬉しい。彼が私を裏切るようなことをしないのもわかっている。断ることなんて当然考えていない。

 だけど、今は感情がめちゃめちゃで、どう表現するべきなのかもわからない。


「幸せにする。だから、結婚しよう」


 真っ直ぐで偽りのない言葉。高校時代に告白してくれた時もそうだった。「好きだ」とこっちが恥ずかしくなるくらい、真っ直ぐに伝えてくれた。

 当時彼を好きだったことを思い出すのに、時間はかからなかった。

 私がまた涙を流すと、大樹は少し焦ったような表情をする。


「なっ、んで、泣くんだよ!?」

「ちが…っ、嬉しくて…」


 涙を拭いながら、懸命にそう伝えると、大樹は安堵した表情になり、私の頭を撫でてくれた。

 きっとこの人じゃなければ、私はまた自分が恋をすることを考えられなかったと思う。

 男性不信になって、恋愛することから逃げて、将来はこの仕事を続けながら独り身で。寂しいと感じながらも一人で楽しむ道を見つけて、そんな未来だったと思う。

 大樹としか、この先の未来を歩きたくないの。
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