Hidden love.
⏱‪𓈒𓏸


 車の中、和やかな笑い声がラジオから聞こえる。内容はほとんど頭に入ってきていない。


「ねぇ、すっごく冷静になったら変だと思うんだけど」

「何が?」

「縒りを戻さずに、結婚しようとしてたのよ? 私達」


 0日婚なんて、今どき珍しい話でもないのかもしれない。身近では聞かないけれど、きっと探せばたくさんいる。

 そして、その事に心配する人はいたとしても、拒否反応を示す人は少なくなってきたように感じた。

 我が家は大樹と結婚することにしたと聞けば、航平とのことがあった後だから心配はするけれど、高校時代の彼の可愛がられようを考えたら、すごく喜ばれそうな気がする。

 うちの両親は大樹が好きだ。愛嬌があり、人懐っこい大樹を、常にいい子だと褒めていた。だけど、別れた時は何も触れてこなかった。


「本気で結婚する?」

「あのさ、清花は早過ぎない? みたいな反応してるけど、俺からすれば十五年想い続けてきたんだぞ! 人生の半分! むしろやっとか! って感じするわ」

「十五年って…」

「そりゃそうだろ。高校一年の時、清花を好きになって、それからずっと好きなんだから。もうすぐ人生の半分過ぎるっての」


 会っていない期間もその人を想い続けられる人はなかなかいないのではないかと思う。簡単な事じゃない。
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