Hidden love.
「…だったら?」

「何、開き直ってんのよ…!」

「お前、可愛げもないんだよ。口うるせぇ、母親みてぇで、抱く気も起きない」

「な、なんなの、それ!」


 怒りで震える。自分のしたことに罪悪感なんてない。むしろ、そうして当然だとでも言いたげな、自分が正しいという態度を取っている。

 航平はそんな私を見て鼻で笑う。


「お前にも飽きてきてたし、結婚式の話進む前だし、決めるなら今だっただろ。親に話すのだけだるいけど、価値観の不一致なんてよくある話だよな?」


 私は何も言い返せなかった。あまりにも堂々とした振る舞いに呆れ、改めて裏切られたという悲しさ、罪悪感が無いことに怒り、多数の感情が襲いかかってくる。


「親に騒ぐとか、面倒なことするなよな。こんなクズ忘れて、そっちも条件のいい男探せば?」


 そう鼻で笑い、私の肩を叩くと通り過ぎていく。男性社員も気まずそうにその後を追い、私は静かに涙を零した。

 幸せになれると信じて、疑ってなんてなかった。今の私はどん底に落ちた気分で、周りが見えない。

 しばらくその場に立ち尽くし、動けなかった。
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