Hidden love.
「そろそろ出れる?」

「出れるよ」

「ケーキとか、手土産も買っていきたいから、少し早めに出るか。その前に、ちょっと変じゃない?」


 そう言いながら私の前に立ち、ネクタイを軽く締めている。

 私は軽くネクタイがズレているのを直す手伝いをしながら、彼の姿を見る。


「大丈夫。格好いいわよ」

「清花がそう言ってくれるなら…」

「自信持って」


 そう言いながら笑って、彼の肩を歩く叩く。大樹はそんな私を見下ろすと、頬に手を当ててくる。

 突然のことに肩が跳ね、「ちょっと、何!?」と問いかけると、大樹は楽しそうに笑っていた。


「君はいつも綺麗」

「…急になんなの? いちゃいちゃしている時間なんて無いんだけど」

「ここから数時間は、こんな風に触れられないから補給」


 そう言って頬に軽く口付けると、その後流れるように唇にも口付けてくる。私は思わず大樹の顔を思い切り押さえつけた。


「リップ外れるだろうが」

「はい、すみません」


 大樹の謝罪を聞いて顔から手を離すと出る準備をする。

 時折こんな風に怒ることもあるけれど、基本的には平和である。
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