Hidden love.
「本当に…、そこまで思ってくれているのだとしたら、清花は幸せね」


 母の優しい声に、私は迷わず「幸せだよ」と答えた。まだこの人との生活は始まったばかりで何十年と長い時間を一緒に過ごしていかなければならない。

 これから先どうなるかなんて分からないけれど、何が起こったとしても、もう二度と離れずに、彼と過ごしたい。

 もう他の誰かで誤魔化せない。

 私の言葉に両親は顔を合わせ、静かに頷く。


「二人が決めたなら、こっちは見守るしかないな」

「籍を入れるのはいつ頃なの?」

「まだ明確には決めていなくて、いろいろと落ち着いたら入れるつもり」

「結婚式は?」

「挙げたいねって話しているけど、二人式か家族式にするつもり。今相談してる。写真だけでもいいかとか思っていたり、ね?」


 大樹に問いかけると静かに頷く。結婚式は確かに夢ではあったのだけど、きっと私が憧れがあったのはウェディングドレスにだった。きっと式自体にこだわりがある訳じゃない。

 ぱっと結婚式や披露宴と聞いて、想像ができないから、きっと私は昔のあの時のまま夢を持っている訳でもないのだと思う。


「まあ、今は挙げないカップルも多いって言うしね。二人でゆっくり決めたらいい」


 両親も納得してくれ、そこからは穏やかな雰囲気だった。みんな笑っていて、その光景を見るだけでも笑顔になれる。

 少し前はショックや絶望感や悔しさ、そんなことで心を埋め尽くしていた。それほど時間は経っていないのに、随分前のことのように感じる。

 それもきっと彼のおかげ。
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