Hidden love.
 顔合わせが終わると、車の中で一息吐く。


「お疲れ様」

「おつかれ。何とか無事に終わってよかった」

「本当にね」


 波乱が起きるとか、そんな想像はしていなかったけれど、母の大樹への質問はほんの少しだけ身が固まった。

 母から切実に幸せになって欲しいって気持ちがダイレクトに届いたから。

 今回苦しい思いをしたのは私だけではない。母だって、父だって、十分苦しんで、悩んでくれていた。

 勝手に地の底まで落ちた気になって、私の人生なんてとヤケになったこともあったけれど、大事なことを何もかも忘れていた。

 周りのことを見えているつもりになって、私は本当に大事な人の姿が見えていなかった気がする。

 もっと早く会いに来るべきだったと後悔もした。


「また会いに来ないといけないな。言葉だけじゃなくて、清花が更に幸せになった姿を店に来ないと」

「…相変わらずすごい自信ね?」

「そりゃそうだろ。清花が俺を選んでくれたんだから、俺のできることはその選択に後悔をさせないこと」


 相変わらず恥ずかしげもなく、そんな言葉をまっすぐに吐く。聞いているこちらも照れるということを彼は分かっていないのだろうか。

 私は照れ臭さを隠すように窓の外を見た。

 私だって、大樹を幸せにしなくちゃいけない。私をずっと好きでいてくれた大樹の気持ちに少しでも応えたい。
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