Hidden love.
Episode8
 両親への挨拶から数ヶ月後。徐々に社内も落ち着きを取り戻していた。

 航平は向こうで何とか上手くやっているらしいけれど、時折大樹が顔を出すとバツの悪そうな顔を見せるらしい。

 大樹はそんな彼にすぐ辞めるんじゃないかと思っていたようだけれど、意外とずっと残っていると言っていた。

 それもそうだろう。ここより給料が良い会社に入るのには並程度の努力じゃ足りない。そして彼がそこまで頑張れる人でもないことを私は知っている。

 もう彼が本社に戻ってくることはきっとない。

 落ち着きを取り戻し、私も今まで通りの日常を過ごしていた。

 そろそろ考えるのは籍を入れること。そして、子供のこと。私も年齢的なことを考えると、そろそろ子供は欲しいのだけど、なかなか大樹とも話せていない。

 最近彼は帰りが遅い。他の会社でトラブルが起きているらしく、最近は私が勤務する会社にはあまり出勤していないのだ。

 家では会うから寂しい、なんてことはあまりないけれど、話し合う時間や余裕は今はなさそうだった。
< 82 / 94 >

この作品をシェア

pagetop